via:MAL
- ななしのフロムさん疲れた体をひきずりながら家に帰り郷愁を誘うオレンジチキンをDoordashで頼んだところ、まさかのメキシコ料理が届いて心は複雑
しかしその想定外の美味しさに心は奪われこれも悪くないと満足して寝床につく
これが「無職転生 II」の魅力であり物語の核心だ
求めてたものとは違っても結果としては心から満足する展開が待っている
そう、シーズン2へと歩みを進めると期待していたアドベンチャーストーリーとは違うものが出てくる
ここではルーデウスが何と抑うつ状態!
彼女にフラれ心はどん底
しかもこれがギャグ調の一過性のものではなくシーズンを通して描かれていく
毎日体を鍛えるエネルギッシュな姿と裏腹にルーデウスはエロから勃ちの喜びまで失ってしまう
作中でエロをこじらせるルーデウスがEDになるのはメンタルとフィジカルのダブルパンチだ
だけどシルフィとの長引くもどかしいロマンスが解消された時、その衝撃は物凄いものになる
そもそも「付き合うか付き合わないか」なんていう表現は女の子にボールを握られっぱなしのルーデウスには当てはまらない
「できるのかできないのか」の方が正しいだろう
リアルさが魅力の無職転生
シーズン2も変わらずサラやカウンターアローを始め多くのキャラがリアルに描かれてる
サラはもうストーリーには関係ないけど「彼女」の役割は完璧に果たされてる
ザノバやクリフのようなキャラはこれから活躍する予感
サブキャラも主役級に深く描かれてるから全話観る価値ありだよ
賛否両論あるシーズン2
しかし視聴者が挙げるアニメーションの問題や原作とのズレ、キャラクターの心理描写の違和感も全て作品の魅力に変換できる
主人公が抑うつに苦しみながらも人間として成長し自己を乗り越えていくさまは観る者の心を掴むことだろう
- ななしのフロムさん物議を醸す点が多いとか言ってる人も多いけど結局は視点の問題なんじゃないかと
そもそも中世っぽいファンタジーワールドを舞台にしてる訳だから現代の価値観でジャッジしても仕方ないと思う
シーズン2はエリスとの冒険後の話と魔法学校が舞台の二つに分かれる
前半はルーデウスが独自の冒険を展開しながら面白い連中と出会いつつ物語を進めていく
詳しいことは言わないけど結果的に学校に辿り着くんだな
ここでちょっと作風が変わってアクションよりユーモアの部分が強調されロマンスの要素も増える
物語自体は冒険物語として楽しいんだけど大きな目標や緊張感が感じられないのが気になるね
ルーデウスが楽しそうに遊んでるだけって感じで目標が見えないのよ
ヒトガミとオルステッドについてもほとんど触れられないしルーデウスは超が付くほどの強さだからこの二人以外に危機に陥ることもなさそう
物語のテーマとしては前世で引きこもりだった主人公が転生して自分を変えようとする、なんだけどそのメッセージがうまく伝わってないところがあるのよね
ルーデウスは改善しようと努力してるはずなんだけど実際の行動は全然そうじゃない
物語がふわっとしててシーズン2では特にその傾向が強くなる
引きこもりが新しい人生を始める刺激的なストーリーが途中でフェードアウトして妄想が現実に変わってしまったような印象だ
好きな人は更に好きになる
元々微妙だと思ってた人は避けた方がいいかもしれない
- ななしのフロムさんシーズン2のロケットスタートとはいかなかったエピソード0
作品としてのインパクトは薄味
サポートキャラが中途半端に紹介されただけで終わっちまった
エピソード5でフィッツに出会うんだがフィッツがシルフィってのはアニメ見る側にはもうオープンシークレットになってるわけで
だからルーデウスがいつになっても気づかないのはそれ自体がコントでしかない
エピソード0はシーズン中盤で良かったかもしれないね
魔法学園編
古参と新顔が登場するけどエピソードが早送り気味でいろんなキャラが蚊帳の外
とは言えルーデウスとフィッツ(シルフィ)の友情が中心にあってメインストーリーとしてはなかなか見ごたえのある展開になってる
でもその結末でルーデウスが更にドジっぷりを発揮するから困るんだよな
なんていうかダサい青春映画の「めがねを外したら美人」展開みたいな感じで笑える
冒険編と学園編は前シーズンよりもペースが遅め
いろいろと試練に立ち向かってるんだけど心と人生が迷子になったりEDネタになったりしててなんか新しい
このアニメは異世界ものとしては珍しく「小説っぽい」感じがする
多くのキャラが独自の旅をしていてテレポートの魔法が物語に広がりを持たせてるんだよね
各レビューを読むとルーデウスがいろいろと物議を醸してるようだが、まあ彼のキャラクターは「道徳的」じゃないところがあるからな
話として見ればルーデウスの「救済」をメインに据えているわけではないし異世界でどう変わっていくのかを見るのも一つの楽しみ方だと思うよ
- ななしのフロムさんやっぱりスタジオバインドなんだよな
実力派スタジオ
原作の精神?
完璧にキャッチしてファンタジー界の煌めく星として聳え立ってるよ
話の主題は「喪失を受け入れ、前に進む」
前シーズンの最終話でぐったりと崩れ落ちたルーデウス
底辺体験中で助け舟もなし
しかしどん底から這い上がる力をこのシーズンで見せつけてくれるんだ
外部の助けもあって前に進む選択をする
人生、これが2回目の挑戦
だからこそ無駄遣いは許されない!
視聴者はルーデウスの変わりように驚かされる
最悪な状態から一皮むけばもう一人前
そしてその描写も低俗な印象を与えない
ここでの「進化」は人から得たものじゃなくルーデウス自身が稼いだんだよ
少々のカットやアレンジは否めないけどスタジオバインドは元々無職アニメのために設立されたスタジオなのでその変更も無難
時として違うシーンがあるものの原作勢としてはこれでいい、と納得させられる出来栄えだ
物語の真髄は堅守されており特定のシーンでは更に力強く引き立てられている
アニメーションとテンポに対する危惧は一切無用
前回のシーズンと比べても遜色なくあるいはそれを上回るクオリティが繰り広げられている
アクションシーンは少ないけどこのシーズンは感情と発展のターニングポイントとしての役割が大きい
しかしアクションが求められる場面ではバインドが見事なアニメーションで応えてくれるぞ
特にエピソード1、3、8では驚異的なアニメーションが展開される
無職転生 IIへの賛辞はきりがないけど重要なのは既存の伝説や世界観、ストーリーを巧みに拡張してること
ルーデウスの成長がリアルタイムで目の前に広がる
感動的で深みのある話だ
無職転生はファンタジーアニメの金字塔でありアニメファンならば絶対に見逃せない
小林ゆう
東宝
2023-10-18
この記事へのコメント
これからさらにストーリーが大きく進む
そしてついにロキシーの出番に…!
ここを乗り切れたなら少しずつスロットルが上がって面白いという人が増えていく
懸念としては重婚になるのがあるくらいか
その時が来れば「あーなるほど、こういう伏線が...」と納得するはず
断片的に魔法大学だけ捉えれば面白くないと言う人が居るのも理解出来る...だからこそ無職転生という物語は継続性を持ってストーリーを楽しむ必要がある
無職転生の大目標は「本気で生きる」ことだと1話目で説明があったし、そこから一切ぶれてないのだがな…