新しい流行が毎週生まれて次の月には解体されるような鮮度のあるジャンルだし
めちゃめちゃ人気もあって制作もすごい勢いだ

問題はなんでクオリティが低いのかってこと
アニメや映画はジャンル問わず９割が微妙だけど
どの大ジャンルでも（日常系、メカ、魔法少女、リアルロボ、スポーツ、少年、不良、ドタバタ、ラブコメ、格闘など）少なくとも「すごい」って評価される作品や結構な数の「隠れた名作」があるんだよね

異世界ものだけパッとしないのが不思議でならないんだ
このすばとか陰の実力者とかは楽しんで見たけど評価はせいぜい6.8点
これがトップならジャンル自体の問題かもな
それに何が面白いってスレイヤーズとかエスカフローネとか
異世界ブームより何十年も前の作品の評判が今作られてるのより断然いいってことだよ

問題の一つは異世界である必要がないってことだよな
異世界要素を取り除いても日本との類似性についての内心のつぶやき以外何も変わらない
ゲート、無職転生、このすばとか本当にストーリーに必要な異世界設定を使ってる作品は少ないね

批判される一番の理由は内容が毎回似たり寄ったりだからだよ
オタクが異世界に行ってレベル1のバグキャラになるけど実は限界突破しててチート野郎だったり
最弱能力の持ち主が実は最強だったり
でも結局、何があろうと主人公は最強でヒロイン達はみんな彼に惚れる

うっすらとしたisekaiの記憶を話したらそれはこのアニメだろって5つくらい違う答えが返ってくるくらいさ
良作の異世界アニメもあるけどそれは上記のパターンとは違うからだよ
何でも作ればヒットするなんていう業界はゴミジャンルを量産するしかないんだ

そうだな
何か試験があって主人公が破壊したり凄い数値を出したりするアニメって
質問したら毎回違う答えが返ってくるよな

圧倒的に強すぎる設定が嫌いにさせる一因だよ
俺は下克上の主人公が好きなんだ

例えば幼女戦記のターニャ
めっちゃ強いけど普通の異世界主人公とは違うよね
強大な敵と戦いながら力が逆にトラブルを引き寄せ大変そうにしてるもんな
簡単に全てを片付け更に強い敵が現れてもカッコよく倒していく主人公とは全く違う
初めて見た時は面白いけど100回目になったらさすがに飽きる

好きな異世界は作者がちゃんと物語を書いてるやつだな
主人公が頭悪いボスを片っ端からぶっ飛ばしてヒロインズがハーレムに加わるだけの話じゃないぞ

あのな
これって願望実現ジャンルの基本だろ？
つまんないサラリーマンやニート、孤独なティーンエイジャーが自分が主役になれる異世界に飛ばされて友達作りや恋愛、世界救済に挑戦できるんだよ
しかも努力ゼロで
でもこのジャンルを完全に解体した作品は見たことないなぁ
成功者が無名の存在になる異世界転生なんてさ

そういう視点だと「迷宮ブラックカンパニー」が近いかな
金持ちニートがファンタジー世界のブラック企業の底辺に転生しちゃうんだよ

願望実現？
ロマコメだって同じだよ

願望実現系が楽しめるかどうかはその実現する願望がどんなものかによる
幸せな恋愛？
ありだよ
手間いらずで最強ハーレム？
それはあんまりだ

実現しないことがわかってるからこそ俺は願望実現が好きなんだよ
現実では実現しないことくらいわかってるからな
問題は同じ願望ばかりなこと
だから新鮮な願望を持った主人公はありがたい

ハリウッド映画だって自分が欲しかったものを得るために何もしなくていいっていう作品が多いよ
多分現代の視聴者はそういうものを好むんだろうけどいつかは飽きるんじゃないか？

主人公があっさりものを手に入れる
それこそが願望実現だろ

幸せな恋愛って何？
何もしないでヒロインが教室の後ろで孤独にいるお前のところへ行って全てをやってくれるっていうやつか？
最強になってハーレムを作るのと何が違うんだ？

異世界系は視聴者がキャラに同調しやすいようにする手法だと思ってる
自分がこんな状況になったらどうするかって考えるのも面白いじゃん

最新のブームが利益を出せるものだと企業が気づいて手っ取り早く売れるものを作ってるだけだろ
ライトノベルは山ほどあるからアニメ化する材料に困らないし視聴者もそれに食いつく
90年代の『レイアース』『今、そこにいる僕』『エスカフローネ』なんかは名作でジャンルをうまく表現してる
そして『ログ・ホライズン』や『無職転生』のような近年の作品もジャンルの価値を示してる
でも今みんなが夢中になってるのは自己満足の物語構造なんだよ

お前らのコメント見て自分のアニメ趣味がゴミクズだって気づいたわ
でもそれが自分だからしゃーない

自分の趣味は変えなくていいぞ
好きなものは好き
それを貫き通すのが大事だ