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1: ななしのフロムさん 水星の魔女を見始めたとき「また学園をテーマにしたアニメか」と思った
アニメの学園モノなんて一生かかっても見られないほど溢れているしな、と
ペースは睡眠薬を飲んだナマケモノより遅いし学園のことでは漫画のキャラクターよりも早く感情を失った
しかしその印象は間違っていた
このアニメはそうした陳腐な表現に頼るのではなくガンダムで知られる複雑な政治的網の目の中に巧みに織り込んでいるのだ
水星の魔女は期待以上のものだった
熱烈なガンダムファンであろうと初心者であろうとこの作品をチェックしなければならない
2: アメリカ
これまで600種類以上のタイトルを見てきた私に言わせてもらうと水星の魔女は究極のロボットアニメの傑作だ
2022年アニメの中で最も素晴らしい作品の一つであるだけでなく全ての期間の中で最も素晴らしい作品の一つである
冗談抜きでこのアニメのために週末の予定をすべてキャンセルする価値がある
ガンダムファンでなくてもアニメを見ればこのジャンルが好きになるはずだ
アニメーション
息を呑むほど美しく、台詞は的確で、ストーリーは壮大としか言いようがない
10点満点をつけることはめったにないのだが水星の魔女は10点をつけた
キャラクター
彼らの苦悩と一緒に生きているように感じられるほどよく描けている
ストーリーは典型的なガンダムの物語から逸脱しているがそれは歓迎すべき変化だ
背景美術とアニメーションはこれまで慣れ親しんだ安っぽいCGをすっかり忘れさせてくれるほど優れている
モビルスーツなどスクリーンからリビングルームに飛び出してくるかのようだ
100%気に入ること請け合いである
シーズン1を2回以上見るまではシーズン2には手を出さないように
3: ななしのフロムさん
説明しよう
ある大企業が力を合わせて殺人製品を止めようとしたが数年後には一転して自分たちもそれを使い始めた
彼らは貧乏人や下流階級を汚物のように扱い骨の髄まで働かせている
その上、同じ企業が自分たちが禁止しようとしたのと同じ製品をめぐって争っている
全ては市場を掌握するためだ
企業の軍隊を使って汚い仕事をさせ無知な子供たちを洗脳して自分たちのために戦わせる
これは奔放な資本主義と軍事力の究極の衝突だ
そこに俗物根性と10代のマインドコントロールが加わっている
つまり水星の魔女にはガンダムのストーリーに必要なものが全部詰まっている
4: ポルトガル
学園の決闘、トマトの象徴、予想外の展開があるアニメをお探しなら水星の魔女以外にはない
このアニメは主人公のスレッタ・マーキュリーが学園生活という危険な海を航海することに焦点をあてている
言っておくがその航海は決して平和なものではない
決闘制度があり学園理事長の娘と誰が結婚するかなどあらゆる事柄が決められている
そしてなんと最初の決闘でスレッタが勝利してミオリネの花嫁になることが決定する
これは予想外の展開だった
登場人物の書き方が巧みでスレッタとミオリネは複雑で微妙な個性を持つ人物としてリードする
彼女らの成長を見るのは楽しいものだ
脇役も同じように楽しく各キャラクターがそれぞれの目標や葛藤を持っている
登場する大人たちでさえも黒幕的な役割を果たし、中には子供たちに迫ってくる者もいて興味深い
週末になると5Dチェスをしているようなプロスペラには特別なエールを送りたいほどだ
アニメーションは一貫して素晴らしい
2DとCGがシームレスに融合、重要でないシーンも巧みにアニメーション化されている
音楽?
エアリアルと同じくらい激しいslapだと言っておこう
もしあなたがコロニー落としが続く猛スピードのアニメや何も起こらない健全な日常アニメを探しているのなら他を当たった方がいい
水星の魔女予測不可能でありながら満足感を与えてくれる、美しく作り上げられた傑作アニメだ
5: ななしのフロムさん
見よ、同胞よ!
ロボットアニメはその栄光の中で生き続けているのだ!
水星の魔女はガンダムに新しい世代を呼び込むことを目的としているのかもしれないが年配の視聴者としてはここまでの内容に絶対的な賞賛を表明しなければならない
ウテナのライトノベルを手がけた大河内一楼氏は第1話からアンシーやウテナからの明確な引用を散りばめている
逃れられない状況に追い込まれた美しい花嫁
彼女を救うためにやってきた編入生の少女
人気者で非常に疑わしい力を持つ少年
これらの要素はすべて決闘で勝敗が決まるという奇妙な学園に存在している
ガンダムとウテナの組み合わせはガンダムの最大の強みである創造性に火をつけることになった
水星の魔女は主人公がガンダムを手に入れるという典型的なガンダムの1クールではなく脇役の部隊や紛争を紹介し徐々に全面戦争へと発展させていく
しかし中盤は驚くほど健全な挿入がなされる
2人の主人公は危険で恐ろしいGUND技術を医療技術へと善用する道を探す
半身不随の人が歩いたり切断された人が腕をコントロールしたりするのを助ける技術だ
株式会社ガンダム設立の伏線はプロローグのエピソードからずっと重要要素として扱われ多くの積み重ねが与えられている
株式会社ガンダム設立の伏線はプロローグのエピソードからずっと重要要素として扱われ多くの積み重ねが与えられている
主要キャストが学園生で構成されていることがユーモアを加え、会社を10億ドル規模の企業というより学園のプロジェクトのように見せている
水星の魔女のプロットは綿密に組み立てられている
各ストーリーが論理的に次のストーリーに流れ、全エピソードにポイントがある
学園でのすべての瞬間がキャラクター設定やプロットに貢献して一切の無駄がない
登場人物の関係性を探り、世界の政治的な緊張を、いわばトマトが床に落ちる前に垣間見ることができたのは非常に重要なことだった
主人公のスレッタは典型的なガンダム主人公とは一線を画す、楽しいキャラクター
主人公のスレッタは典型的なガンダム主人公とは一線を画す、楽しいキャラクター
彼女はおっちょこちょいで、社会的に不器用で、純情で、しかも(時には恐ろしいほどの)高い能力を持つパイロットだ
モビルスーツへの深い愛着は刹那・F・セイエイを彷彿とさせ、精神的に健全で幸せでフレンドリーなように見えるが明らかに何かが...彼女の特徴的な顔◉◡◉が示すように時折、違和感がある
同じ主人公でスレッタの花嫁であるミオリネは最初は氷のお姫様で恋人の暖を必要とするように見えるが彼女はそれ以上の存在だ
彼女は父親との関係が複雑な金持ちの女の子
支配的だが意地悪ではなくそして本当に面白い
キャラクターデザインも魅力的で、体型、顔の形、肌の色、髪のタイプなど、さまざまなバリエーションがあり世界観に命を吹き込んでいる
他のキャストも同様に素晴らしい
シャアらしく変わったスレッタの母親、冷静沈着な策士シャディク、敗北の王で愛すべきグエルなど際立ったキャラクターがいる
そして謎や不完全なプロットについて最も興味をそそるのが知覚機械エアリアルの中心にある秘密だ
これがアニメ一番の核であり興味深い問いを投げかけるものとなっている
水星の魔女は私がここ数年見た中で最高の非UCガンダムである
いや、史上最高の非UCガンダムの称号を得るかもしれない
このアニメはあなたの心を揺さぶるに違いない(まだ見ていない人は脚本家がコードギアスを書いたのと同じ人だということを覚えておいてください)
ロボットアニメはまだ生きている
6: カリフォルニア(アメリカ)
このガンダム最新作は目もくらむような高みには行けないかもしれないがAGEを特徴づける鈍重さやZZの厄介なキャラクターといったある種の落とし穴は回避している
シーズン1は余計なプロットを排した骨太な作品に仕上がっている
学園を舞台にしたことで一見するとガンダムの王道から大きく逸脱しているように見える
しかし大人も生徒もそれぞれの志を貫くために作為や強制力を駆使して自分の置かれた状況を有利に展開させる
このように政治的なドラマに時事的な解説を加えることで以前のガンダムアニメのような戦争ドラマのエスプリとは全く異なる
だがガンダムの持つ陰鬱な雰囲気は健在で時折急展開するものの心を揺さぶる作品となっている
学園のキャラクターは、皆、何層にも重なった人格を持ち説得力がある
一人ひとりが学園に通う理由や退学する理由を持っており仲間との交流によって彼らの信頼や個人的な信念が、ほとんどの場合、もっともらしい方法で形作られている
ある種の人間関係が急激に進展しているように見えるかもしれないが生徒たちが関わるシーンのほとんどは外的要因に影響されたり影響を受けたりするものだ
音楽はよく作曲され内容によく合っている
アニメーションは目に見えて美しい
世界観の構築はプロットを邪魔しない程度に繊細であり視聴者は自分の注意力の欠如を除けば決して困惑することはない
水星の魔女はしっかりとした満足感を与えてくれる作品である
7: ななしのフロムさん
水星の魔女は驚くことにモップがけしたばかりの床よりもきれいで底なし沼よりも深い
キャラクター描写とプロット展開という点では鉄血のオルフェンズに匹敵するものである
そしてこの作品が単なるガンダムビルドファイターズの模造品にレズビアンのスパイスを振りかけただけだと思ったらそれは間違いだ
いや、大間違いだ
猫が世界を密かに支配していないと思うのと同じくらい間違いである
実を言うと私もそう思っていたのだが第4話で完全に吹っ切れた次第だ
LGBTや百合の要素があるからとこのアニメを芋づる式に落とす人たちに言いたい
このアニメには戦闘シーンや日常生活を描いたものだけでなくもっと多くのものがある
キャラクター描写は驚異的でスローペースの導入回はキャラクターに愛着を持たせるための洗脳戦術に過ぎない
第12話ではその価値があったと気づくはずだ
最後の数分で登場人物について知っていると思っていたことがすべてひっくり返される
突然、あなたが知っていると思っていた臆病なたぬきが予想もしなかったことをしかも笑顔でやっている
ネタバレはしない
水星の魔女はビルドファイターズから鉄血のオルフェンズへと急展開するとだけ言っておこう
学園生活やラブラブな瞬間は過去のもの
これは戦争でありスレッタが勝利への鍵だ
この先、どんな展開が待っているのか楽しみだ
8: ななしのフロムさん
ガンダムのベテランでもまったくの初心者でも「機動戦士ガンダム 水星の魔女」は問答無用で見るべきアニメである!
私はガンダムについてあまり詳しくないのだがこのアニメの世界観は一級品だ
惑星間航行、独自の救助システムを持つ宇宙ステーション、アカデミー、そして官僚制まで
まるで「The Office」のような、でも宇宙での話なんだ!
主人公のスレッタ・マーキュリーはまさに逸材
少し臆病で狂ったようにどもるが彼女は正しい心を持っていて戦いから逃げない
特に宇宙のプリンセス、ミオリネ・レンブランを助けることになればなおさらだ
あなたはこの2人を結びつけずにはいられなくなるだろう
そう!私たちは百合ガンダムを手に入れたのだ
二人の相性は抜群である
次はガンダムそのものについて
というか「ない」と言うべきか
機動戦士ガンダムというアニメの割にはモビルスーツが少ない
学生同士の対決も一方のロボが他方のロボより明らかに優れているためすぐに陳腐化してしまう
そしてガンダムの謎を探る代わりにメインデュオはスレッタ自身のロボ「エアリアル」を宣伝して金稼ぎをすることになる
そしてガンダムの謎を探る代わりにメインデュオはスレッタ自身のロボ「エアリアル」を宣伝して金稼ぎをすることになる
まあ少なくとも2人の関係を発展させるのに役立ったよね?
OPとEDはどちらも絶対的な名曲
OPはYOASOBIが素晴らしい仕事をしてくれて何日も頭の中に残っている
YOASOBIの曲は予言めいていた
まるでこのアニメがヒットすることを誰よりも早く知っていたかのようだ
だから……
うん?何を待っているんだ?
今すぐ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」を見て後で私に感謝しなさい!
9: ななしのフロムさん
「水星の魔女」第1シーズンはちょっとおバカな展開だと思う人もいるかもしれない
言っておくがこれはまだ始まったばかりだ
確かに軽快な場面もあるが水面下では深刻なプロットも生まれている
脇役たちは暗い論争に巻き込まれ徐々に緊張感を高めていく
一方、主人公の純朴な性格は彼女の生い立ちや論争の的になりそうな出自を反映している
注意深く見ていれば表面下で煮えたぎる大きな絵が垣間見えるはずだ
もしあなたが熱心なガンダムファンなら戦争をテーマにした激しいアクションを期待するかもしれない
しかし水星の魔女はそれとは異なるアプローチで描かれてる
最初はおちゃらけたトーンで始まるがどうか信じてほしい
物語はあっという間に深みを増していく
クラナドとクラナドアフターストーリーのようなもので第1シーズンは舞台を作るが実際は嵐の前の静けさにすぎない、と考えてほしい
そして最後、その嵐が吹き荒れる
10: ななしのフロムさん
正直、ガンダムにはあまり興味がなかった
だが「機動戦士ガンダム 水星の魔女」には漁師の網にかかった魚よりも早く夢中にさせられた
このアニメは私がこれまで見た中で最も印象的な世界観とプロット展開を持っている
そう言えるくらいにはアニメを見てきたつもりだ
最初の数エピソードは少し遅くて予想通りだと言う人もいるかもしれないが私はそれも全部マスタープランの一部だと思っている
それは意図的なものなんだ!
脚本家たちは視聴者をこの世界観に溶け込ませたいと考えている
あなたをこの世界になじませ、ゲームのルールを知っているように感じさせたいのだ
ガンダムパイロットは善、眉毛の大きな男は悪、ピンク髪の男は嫌な奴、といった具合にね
それはすべて、本当のドラマと緊張が始まるときのための舞台装置だ
そして「その」瞬間、とんでもない衝撃が走る
じっくりと時間をかけて作り上げたおかげで彼らの葛藤に感情移入できるようになる
この作品は単なる無機質なアクションアニメではない
戦争には現実的な結果があり、このアニメは関係者全員に降りかかる犠牲を恐れず探求している
もしあなたが時間と注意を払うことを厭わないなら、トラウマ、対処法、戦争の恐怖といった複雑なテーマに取り組んだ物語で報われることだろう
ただ、4時間は確保しておいてね
一度見始めたら止まらなくなるから
11: クローリー(イギリス)
シーズン1はとんでもない傑作
最初の数エピソードはママとパパに問題・トラウマを抱えたかわいそうな子供たちの話だった
その後、日常中心になり、一段落したと思ったら、バーン!!
あーそういうアニメね、と理解していたらポストクレジットのシーンでバットマンに負けないくらいダークな展開が待っていたのだ
シーズン2のスレッタは皆を束ねるヒーローになるか皆が恐れる怪物になるかのどちらかだろう
個人的にはスレッタが「正義とは何か」を切望するあまりに何度か味方を変えるのが目に浮かぶ
個人的にはスレッタが「正義とは何か」を切望するあまりに何度か味方を変えるのが目に浮かぶ
感情をコントロールする怪物やヒーローはこれまでにもあったがこれほどよく練られスポットライトを浴びているものはめったにない
作画
ガンダムを現代風にアレンジして新鮮でエキサイティングな作品に仕上がっている
ガンダムはロボットアニメのポケモンのようなもので新しい視聴者のために常にリセットされているね
キャラクター
スレッタは主役なのだがめちゃくちゃな主人公である
しかしこのめちゃくちゃな世界では他のみんなも同じだろう
主要人物でまともな人間はいない
そして大人は「世界を燃やして子供たちに後始末をさせる」という日本アニメの古典的な手法で描かれている
全体として私はこのアニメが大好きだ
シーズン2はもっと良くなると思う
シーズン1では重大なアクションの舞台が用意されたからね
12: カナダ
ガンダムは「リアルロボット」というジャンルの元祖であり未来の戦争の厳しさと人間らしさを見事に表現した
その為、サンライズはその後40年間、その成功を再現しようとしてきた
そして正直なところ誰が彼らを責めることができるだろうか
私は宇宙世紀を全作見ている
ガンダムは間違いなく私の好みだが、1979年の古いアニメーションの全43話を入り口としてこのシリーズに飛び込むことに抵抗を感じる人がいるのは理解できる
サンライズは『ガンダムW』『SEED』『00』『鉄血のオルフェンズ』といった単発作品を作ることで現在のアニメトレンドに追いつこうとしてきたが『機動戦士ガンダム』のページを見てみるとどのスピンオフも「戦争」「クーデター」「革命」という言葉が入っているのがわかる
巨大ロボットが宇宙戦争を繰り広げるというのは私にとっては最高だが政治色の薄い作品を探している一般のアニメファンにとっては敷居が高く感じられるかもしれない
そこで水星の魔女の登場だ
このアニメはガンダムの流れで陳腐化したものをすべて窓から投げ捨てたものだ
地球連邦対ジオン公国という基本対立や週替わりの敵のストーリーはもうない
その代わりにメガコーポレーション、政治的な派閥、革命的な技術、学園を舞台にした現代の物語が登場する
これはガンダムとアニメ全般にとって新鮮な息吹となるものだろう
キャラクターもまた普通とは一線を画している
ツンデレ、うるさいやつ、内気なやつ、かわいいやつ、人気者、そして本当の意味で負け犬ではない負け犬がいる
本当の主役は赤毛で吃音のあるアニメ初の女性主人公、スレッタ・マーキュリー
彼女は悲劇的な背景を持ち、自分よりも大きな何かに巻き込まれている
しかし彼女や他のキャラクターが魅力的なのは彼らがいかに今の時代の産物であるかということだ
登場人物の中に学園と政治の世界を融合させることでアニメは私たちが実際に見ることのできる未来を作り出している
そしてそれこそがガンダムのすべてなのだ
紛争の時代におけるキャラクターとテーマの探求
安っぽいスリルやメインストリームへのアピールが目的ではない
私たちが生きている時代において可能な限り最高の物語を伝えることである
水星の魔女はそれを理解している
願わくばガンダムファンが常に知っていることを新しいファンに示すことができればと思う
ガンダムは本当に素晴らしい作品だ
13: ななしのフロムさん
ガンダムのお偉いさんは最新作「水星の魔女」で新たな客層を開拓しようとした
どうやら若い世代はクラシックなガンダムの雰囲気になじめないようで何か新しいことをする必要があったようだ
そこで彼らは何をしたのか?
10代の女の子2人を主人公にしたのだ
本格的なハイスクールバトルアニメになった
大失敗の予感がするでしょう?
結論を言えばそれは最高にうまくいった
水星の魔女はガンダムに新しい命を吹き込み、多くの新しいファンを獲得した
これまで巨大なロボに見向きもしなかった人たちがこの作品に出会ったのだ
まるでアニメプロデューサーが魔法のガンダムダストを振りかけたかのようだ
鉄血のオルフェンズ?
今の旬は水星の魔女なんだよ、ベイビー
ではそんなお前は「水星の魔女」をどう思っているのか気になるところだろう
さて、私の最初の反応は火山を渡る目隠しの綱渡りよりも緊張するものだった
この新しい冒険を導いてくれたカウボーイ王、富野由悠季はどこにいたのだろう?
富野の手が入っていないガンダムのスピンオフ作品をいくつか見たが、はっきり言ってかなり物足りなかった(もちろん0080を除いては)
正直言って富野の創造性と奇抜さのレベルには誰もかなわない
0079ほど不朽の名作で、ゼータほど狂気的で、CCAほど完璧なフィナーレを迎え、ビクトリーほど過小評価され、ターンAほど美しく、GレコほどGenkiなガンダムはないだろう
後に続くのは大変なことだ
新しいガンダムプロジェクトが普通から大きく逸脱して富野が指揮を執らない場合、私はかつての偉大なガンダム帝国の運命を決定付けるような気がしてならなかった
誤解を恐れずに言えば私は富野監督に偏見を持っているかもしれない
富野監督抜きの新しいガンダムのプロジェクトは酸素なしでエベレストに登ろうとするようなものだ
荒れた旅になり、結果は暗いものになるだろう
サイコパワーで動くブリキスーツに身を包んだ段ボール製のキャラクターたちがぶつかり合うのをあと何度見たら飽きるのだろうか
だから私は水星の魔女に対して健全な懐疑と懸念を抱いて臨んだ
心の底ではこの作品が私を驚かせ、私の間違いを証明してくれるのではないかと密かに期待していた
はてさて、どうなることやら......
サンライズのYouTubeチャンネルでプロローグを見たとき最初の懸念はすぐに払拭された
この作品を作ったのが鋭利な人物であると知ったのだ
その人物は誰なのか?
そう、あの大河内さんだ
なるほど、と感心させられた
ありがたいことにこの新しいガンダムに足を踏み入れてから心配は薄れたが懐疑的な気持ちは残った
ネット上でもそのような声を聞いた
この変更にまつわる話題は「若い視聴者に迎合している」「時流に乗じている」といった否定的なものが圧倒的に多かった
しかし雲の切れ間から差し込む太陽の光のように私はスレッタに出会った
私の悲観的な気持ちは菜食主義者の集いで食べるチーズバーガーよりも早く消えてしまった
ガンダムは、トラウマを抱えた戦争の英雄アムロ、自閉症のカミーユ(自分でそう言っている)、気立ての良いジュドーなど長年にわたって多くの主人公を世に送り出してきた
現実的に考えて私たちの心に残るのは全く無知で「特別」な人たちだ
例えば、ベルリ・ゼナム
彼は無知で頭の悪い自閉症者だが信じられないほど愛らしくカリスマ的でもある
スレッタは平和主義的な態度とロラン的な振る舞いでその型に完璧に当てはまる
彼女なしに水星の魔女は成り立たない
もちろん、誰もがスレッタのファンというわけではないだろう
主人公はこうあるべきという硬直した考えから外れたものを扱えない偏狭な人たちが常にいるものだ
彼らは新しいアニメがペンキを塗り替えただけの0079クローンでないと怒る、昔ながらの旧時代スペースノイドなのだ
ガンダムにスレッタのようなキャラクターを登場させることは悪いことだと考える人もいる
一体何を言っているのか
スレッタは多くの人が評価するよりも賢く、強く、優れている
そして彼女の口癖がその魅力に拍車をかけていることも事実
だから嫌いな人たちに言いたいのは「スレッタに手を出すな」ということ
彼女はこのアニメの心臓であり、魂であり、それ以外にはありえない
スレッタのキャラクターを理解するためには大河内氏の前日譚『ゆりかごの星』を読み解くことが重要である
スレッタのキャラクターを理解するためには大河内氏の前日譚『ゆりかごの星』を読み解くことが重要である
スレッタは単なる吃音症のミームクイーンではない
その風変わりな物言いには深く悲劇的な背景がある
スレッタは孤立して育ち、社交や友達を作る機会を奪われた
母の教え以外の世界に触れられたのはエアリアルの図書館だけ
しかしそれに惑わされないでほしい
この少女は前日譚では非常に勇敢に輝いているのだ
人間関係やコミュニケーションに悩んでいてもスレッタの理想や価値観が揺らぐことはない
もしスレッタがミオリネの靴にスパゲッティをぶちまけ始めたらそれは彼女が本物であることを知る時である
他のキャラクターではスレッタの「真面目なつまずき」を再現することはできない
代わりになどなれないのである
だから次にこのアニメを見るときはスレッタが単なるおバカなミームではなく最も愛すべきキャラクターであることを思い出してほしい
ミオリネに関して言えば最初の2、3話の時点で私は彼女をただのツンデレ女として見限ろうと思っていた
彼女が「見た目だけのクソ」なのか「真のクソ」なのか判断がつかなかったからだ
ミオリネは完全にツンツンしたビッチでいつもかわいそうなスレッタに苦言を呈していた
しかし...しかし私は間違っていた!
ミオリネはスタイリッシュで、プロファイリングが上手で、リムジンに乗り、ジェット機に乗り、キスを盗み、車輪を回して取引する、かっこいい女なのだ
スレッタとミオリネはゲイ版「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」のようなもので2人の少女は自分たちの本領を発揮することなく知らず知らずのうちに自分たちのボスの邪悪な目的のために働いている
ミオリネがハンドルを握って道を切り開き、スレッタはそれに引きずられる
この旅では道は険しく資源は乏しい
さて、皆さん
「水星の魔女」での大河内氏と小林寛監督の完璧なスタイルのぶつかり合いを鑑賞してみよう
この「ぶつかり合い」というのは最高の意味での「ぶつかり合い」のことだ
『キルラキル』と『ヴァルヴレイヴ』が子供を産んでその子供がレッドブルでハイテンションになって世界を相手にする準備を見ているような感じだろうか
第7話「シャル・ウィ・ガンダム?」はその典型例だ
キルラキルのトーナメントセクションのようでありながら起業のための*シャークタンクバトルという付加価値がついている
これはもう天才の仕事だ
(※「シャークタンク(SHARK TANK)」は、アメリカ版「マネーの虎」のようなもの)
カフェイン中毒のビジネスマンたちがスタートアップ企業を売り込もうとしているのを見ているようでめちゃくちゃ面白い
テーマについて
富野の0079が愛されるのには理由がある
それと同じテーマ、つまり戦争、環境保護、離散、青春、母性などがガンダム視聴者の心を揺さぶる
大河内氏はそれを知っていて単に置き換えようとせずむしろ拡張している
資本主義や経済的な緊張、メディアの描写やスペーシアンとアーシアンの隔たりを反映した描写など重厚な内容になっている
私は「機動戦士ガンダム 水星の魔女」に感謝している
Gレコ後のガンダムへの信頼を回復させてくれたし富野がいなくともガンダムシリーズは良い作り手に委ねられていることを証明してくれた
このようなアニメをまだ作ることができることを嬉しく思う
まだ見ていない人は自分のためにこのクレイジーなガンダム列車に飛び乗ってほしい
もしかしたらいつかは脱線してしまうかもしれないけれどそれが続く間はきっと素晴らしい旅になるはずだ
では、Season2でまた会おう
では、Season2でまた会おう
この記事へのコメント
キングゲイナーぐらいの終わり方でないと納得しないでしょ?
・・・凄く見たいんですがw