戦闘シーンはアゴが落ちた(※jaw drop)。巻き戻してすぐにまた見たくなるレベル。
(※驚いて開いた口が塞がらないほどの 英辞郎)
炭治郎は少年漫画の主人公として相当まともだ。
海賊王になるとかそんなデカい目標はなく、ただ妹を人間に戻してあげたいだけ。
強くなるのに友情パワーに頼ったり、ギア4を発動したり、超サイヤ人3になったりはせず、他の人間と同じように修行を積んで強くなる。
強くなるのに友情パワーに頼ったり、ギア4を発動したり、超サイヤ人3になったりはせず、他の人間と同じように修行を積んで強くなる。
監督も魅力的だ。戦闘シーンは隅から隅までちゃんと描いて(ワンパンマン2期を見た人ならわかるはず)、豪華絢爛な戦闘の為に魂を込めている。
些細な問題だが、キャラが遠くにいる時や素早く動く時にCGモデルを使ってるのが気になるところ。でもCGの使い方はゴブリンスレイヤー映画の10倍以上ましなので、UfotableのCG技術は制作会社の中で一歩抜きん出ているのだろう。
戦闘シーンの出来だけで楽しめるアニメは他にない。
是非見てほしい。
ななしのフロムさん 2019年9月28日
超一流のアニメーションは二流の脚本を覆い隠せるのか?
アニメコミュニティで鬼滅の刃は好きか嫌いかの両極端に振れていることが多い。
驚嘆するアニメーション、恐ろしい鬼達、目を見張る戦闘シーンが好き。
下手なストーリー、底が浅いキャラ、うんざりするコメディーが嫌い。
答えは二つの間のどこかにある。
なぜか炭治郎は鬼についてほぼ無知だった。鬼殺隊というものがあるほど鬼は脅威の存在であるのに炭治郎の家族は知らなかった。
禰󠄀豆子は言わばロボトミーを受けた鬼であるが「人間を守れ。鬼は敵だ」と暗示をかけられている。もし人間が催眠術で鬼に善を説けるなら、なぜ禰󠄀豆子だけそれが行われたのか。しかもストーリーとして組み込むのではなく戦闘シーンの最中に突然明かしてくる。
戦闘は何度も回りくどい台詞で中断される。
例えば、頭だけになった鬼が炭治郎の武器に髪を絡ませて木に突き刺さるシーン。
鬼は言う「斧を奪うつもりで絡めた髪がもつれた!」
例えば、頭だけになった鬼が炭治郎の武器に髪を絡ませて木に突き刺さるシーン。
鬼は言う「斧を奪うつもりで絡めた髪がもつれた!」
簡単に見てわかることを鬼は口で説明する。こういった内部モノローグ、回想、必要のない台詞回しのせいで戦闘描写は首を切られ、たびたび停止する。
最もひどいのはボコボコにされている善逸を見た炭治郎が怒りの表情をして叫んで止めに入るのに2分を要したシーン。5フィート(※約1.5メートル)くらいの距離で丸々2分間使う。しかもそこから解決するのではなくEDに入る。序盤で脱落した人の多くはこういったシーンが理由だ。
Ufotableは有能なスタッフを用意しており、予算も無限(unlimited budget)にあるのだから「説明するな、見せろ(Show don’t tell)」の演出ができるはずなのに。
1分に1回停止して、その都度説明する友人と一緒にアニメを見ているような気分になることが多かった。原作が漫画だからコマとコマの間をアニメでは描く必要がある。
だが、高予算のアニメで余計な描写は不要だ。
だが、高予算のアニメで余計な描写は不要だ。
アニメでも説明されているように、深く息を吸い込むと血流が増大する。確かにそうだが、それで超人的なレベルになる理由はなんだろう。それはまだいい。許容できないのは炭治郎の超鋭敏な嗅覚だ。本格的な修行をする前からこの能力が備わっている。感情や遠くの鬼のにおいをかぎ分け、更には見えない糸すら鼻でかぎ分け正確な攻撃を繰り出す。他にも説明のつかない能力として超鋭敏な聴覚がある。
鬼滅の刃はストーリーやキャラクターを描写する際に説明の短縮をする。これが本作品の最大の欠点。この欠点さえなければ鬼滅の刃は手放しでおすすめできるアニメだ。
最初、禰󠄀豆子は凶暴な鬼で兄の炭治郎を喰らおうとしていたが、なぜかこの時点から自制できるようになっている。禰󠄀豆子は炭治郎が絶対に救う意思を持つ為の動機になっているが、毎回二人の関係を見る度に「なぜ」と思うことがあった。
なぜ、禰󠄀豆子を人間に戻す必要があるのか。鬼の状態をコントロールできているし、人外の力も持っている。もし人間になれば戦いの途中で死んでしまうだろう。
このアニメには優しい心を持つ「鬼」もいる。鬼になることで救われた人もいる。どうして人間に戻さなくてはならないのか。
「ボス」鬼が殺される直前直後にはいつも悲しい回想が挿入され、共感を促してくる。死ぬ数分前(時には数秒前)に悪役に感情移入しろと言われても上手くいくものではない。既に悪役の敗北は決定的──そもそも今後登場しない悪役の辛い子供時代を誰が気にするというのか。
炭治郎は勝利の動機が必要とされる時、回想で家族の姿を見る。19話のクライマックスシーンでは回想を通して後付けの新しい力を得る。あれは前回のEDが伏線になっていた、そういう意見もあるが、やはり回想というものがいつもストーリーを新しく組み上げ、炭治郎に新しい力──後付け設定──を与えている。
鬼滅の刃を見た人は、これが最高の少年向けアニメ(shounen anime)だと思うか、予算を掛けた大作アニメの中でワースト脚本だと思うかのどちらかだろう。その中間に位置する人もいるかもしれない。
ウィキであらすじをざっと読んで、YouTubeで戦闘の場面カット集を見れば十分ではないか。最高のアニメーションを見る為に不出来な脚本に付き合いたいだろうか?
その答えはもう見つけられるはず。
ななしのフロムさん 2019年9月28日
「シンプルさは究極の洗練である」──レオナルド・ダ・ヴィンチ
アニメの面白さに複雑なプロットや深いキャラが必要なわけではない。
これを鬼滅の刃が証明した。
もう一つの鬼滅の刃のスぺクタルと言えばufotableだ。
これを鬼滅の刃が証明した。
もう一つの鬼滅の刃のスぺクタルと言えばufotableだ。
ともすれば「単調なストーリーの平凡な少年もの」で終わったかもしれないアニメを、毎週ファンを渇望させるアニメに作り替えた大立役者である。
鬼滅の刃は作画と演出の高さで2019年最高のアニメになっている。
2019年春に始まり、2019年夏には人気が急上昇。
2019年春に始まり、2019年夏には人気が急上昇。
エピソードの半分を彩る超作画の戦闘シーンはアニメフォーラムで話題の中心となった。映像の凄さは戦闘シーンだけではない。第1話の開始1秒から最終話の最後の1分まで目の保養(eye candy)になっている。
あらすじはこの作品独特のものではない。似たような冒頭は何度か見たことがある。それらのアニメはufotableほど視覚的に訴える映像を与えられてはいなかった。担当するスタジオが違えばもっと人気が得られていただろう。
最初に思い浮かんだのは2018年アニメの天狼 Sirius the Jaeger。鬼滅の刃の主人公と似たテーマを持っている。こちらは鬼の代わりに吸血鬼が出てくるのだが。
その点、Ufotableは最高の成果を出した。彼らの貢献を考えるとどのような称賛がふさわしいかわからないほどだ。元々、漫画は読んでいなかったが、アニメ化された範囲を読んでみるとアニメの方はテンポやキャラクター描写に問題があることがわかった。
漫画はその辺り整っている。逆にアニメの方でも優れているところがあり、漫画の陳腐な表現をうまいこと描き直している。
しかし、完璧に描き直されているわけではない。問題の一つは中盤のペース配分。戦闘やエピソード関連があまりに長く感じられた。漫画読者には大したことないのかもしれないが、アニメで先を知りたい人にとっては何週間も待つのは苦痛だった。1対1や2対2の戦いで2~3話を要する。ほとんどが刀での戦いで、全26話だとあまりに長い。
もっとテンポが自然だったら問題はないが、結果として退屈なほど間延びしているところが目立つ。なぜこんな作りにしたのか疑問だ。
ここで全キャラ一の問題児、我妻善逸の話をしたい。
善逸はうるさく、泣き虫で、女の子を追っかけまわす少年。後ろ向きの性格は最初は面白く感じたが、すぐに鬱陶しくなった。鬼に出会っても子供の後ろに隠れる始末。完全にコミックリリーフの為の存在だが、これも度を超すとイライラするだけだ。ダークでシリアスな世界観でもちょっとしたおふざけなら崩れないが、善逸ときたらエピソード毎に5回はしょうもないギャグを披露したがる。主役メンバーが強大な敵を相手にしている緊迫感の中、善逸のコミカルな演出が雰囲気をぶち壊している。
シリアスな状況下で女の子を見て涎を垂らしたり、赤ん坊みたいに泣き喚くキャラを見て一体誰が真剣さを保つことなどできるだろう?!
最終話まで何の役にも立ってないのに主役クラスとされているのはどうか。善逸を削除したところでほとんど影響がない。最初から最後まで同じままだった。このキャラが鬼滅の刃を高評価できない最大の理由の一つになっている。
鬼滅の刃は最高レベルのアニメでありながら、キャラクターの描写やテンポの悪さなど、もったいない部分を残している。
それでも最後まで鬼滅の刃を楽しめたのは、驚異的な映像とサントラがあったから。少年漫画が好きでない人も、ひとまず高尚さは置いといて、このアニメを見てほしい。
カナダ(ブリティッシュコロンビア州) 2019年9月28日
鬼滅の刃は嬉しい驚きだった。
最初は流血ばかりの陰鬱でダークな作品かと思ったが、ストーリーが進むにつれ、そんなものではないことが見えてくる。
偽善、死、希望、絶望。
炭治郎の悲劇的な旅に待っているテーマだ。
それらはあらゆる方法で旅の終わりに向かって襲い掛かり、見る者の心を魅了してやまない。憐れみと鬼の滅殺は相いれないからこそ緊張感が走る。
鬼滅の刃の問題を一つ指摘するなら、それは世界観を作る雰囲気だろう。
鬱屈した、圧迫感の、緊張感の、などと形容できる鬼滅の刃の世界は視聴者を引きずり込んだら最後、離すことはない。しかしそれが10話付近で一変する。善逸と伊之助の登場によって。
叫び続ける不快な二人の狂人は鬼滅の刃の丁寧に作り上げられた世界観には合わず、むしろナルトやブリーチから出てきたキャラなのではないかと思ってしまう。
鬱屈した、圧迫感の、緊張感の、などと形容できる鬼滅の刃の世界は視聴者を引きずり込んだら最後、離すことはない。しかしそれが10話付近で一変する。善逸と伊之助の登場によって。
叫び続ける不快な二人の狂人は鬼滅の刃の丁寧に作り上げられた世界観には合わず、むしろナルトやブリーチから出てきたキャラなのではないかと思ってしまう。
サイドキャラクターを消せとか、少年漫画のお約束が嫌だとか、そういうことではない。ただ、鬼滅の刃では声を嗄らすほど叫ぶ猪突猛進野郎や、泣き喚いて鼓膜を破裂させかねない金髪のふにゃちん少年(blonde dickweed)がいなくてもよかったのではないか。
1~2話くらいであれば、絶望の合間の小休止として機能するかもしれないが……ストーリー全体に付きまとうとなれば無視できない。
柱合裁判に入ると今度は「柱(Hashira)」と呼ばれる鬼殺隊最強の九人の剣士が紹介される。富岡、忍、カナヲ(カナヲは柱ではないが)は真っ当な顔をしているが、残りは善逸や猪頭男と同じようなギャグ調の人物像だ。
延々と涙を流すお坊さん、すべての男に惚れる変な女性、常に怒っているヒーローアカデミアの爆豪クローンその他。
若年層や映像をただ見るだけの人は面白いと思うかもしれない。だがこのギャグ調の雰囲気とシリアスなストーリーの対比は全体の雰囲気を邪魔して世界観の程度を下げている。26話の終わりには普通のバトル少年漫画になってしまった。
それでも鬼滅の刃は少年漫画としてトップクラスであり、最後まで見る価値は十分に有り余っている。
戦いで負う傷について半端な扱いをしない点は称賛すべきところだ。
少年漫画では主人公が半殺しにされても「なんでもねえよ」と立ち上がることが多い。炭治郎はちゃんと傷を負ってケガをする。骨折や内出血はもちろん、足だって動きを制限される。体力も限界が来たら倒れてしまう。
限界を与えることは戦いの意義を深め、死と失敗が許されない緊張感につながる。物語に厚みが増す。
鬼滅の刃は時代設定も魅力の一つになっている。
大正初期は日本が軍国主義に突入する前の殺伐とした短い猶予の時期であり、おそらく日本が経験した時代の中で最も暗い十年だろう。
刀はほぼ50年前に非合法化され銃器に変わったものの、炭治郎と鬼殺隊が戦うのは人ではなく鬼だ。刀を使う理由は合理的。刀の使用には意味があり、近接戦闘をする必要がある。
当時の殺伐とした空気が、鬼滅の刃に込められた息苦しい緊張感や絶望感によく合っている。
この記事へのコメント
ただ、これに再現性はないので何の要素を真似ても仕方ない
送り手なら羨ましがっても別のものを手にしなくてはな…
そこまで考えなきゃいけない作品がそんな人気になるか?
的外れにしか感じない。
不幸な家庭で育ったか、家族愛を認められない厨二なのではあるまいかw
進撃とかヒロアカの方がその辺はとっつきやすそう
あれだけ軟弱な善逸が、伊之助から禰豆子の箱を守ってたのを見て何とも思わなかったのか
普段が軟弱野郎だからこそ譲れない部分が光るんだろうに
あ、やっぱりそんな連中出たな
そんな事しても視聴したい連中なんて正規の邪魔なだけだよな
一般人はカットバックやモンタージュや構図で語るシーンを理解出来ない事も多いしそれがストレスになる。
映画でもって映画を語るオタクは自分の為の娯楽だけを評価し過ぎ。
ただここでも引きが強い作品はそういうもんなのか、説明台詞多様なことにより小さな子供でも分かりやすくなっての全世代的大ヒットに繋がったわけで・・数字見せられると何が正しいってのはわからんもんだね。
コメディの寒さならハリウッドアニメには全くかなわない
さんざんハリウッドアニメを観てきた感想
シュレックを期待してみて結果金返せと思った トイストーリーは1、2両方途中で寝た
それ以降ハリウッドアニメは見る気にもならない
鬼滅は台湾でハリウッドアニメの最高興行収入をぶち抜いた
ハリウッドゴミアニメのメッキは剥がれてきている ハリウッドが自惚れられるのは今だけ。
俺は鬼滅大好きだがここに関してはほんとにそう思う。面白いつまらないというより寒いあの感じ
選んで制作チームを組ませた作品
各キャラもそれぞれを推す社員に担当させた
足しすぎず減らしすぎずリスペクトに溢れた
このアニメはそうやって作られた
社員200人で殆ど外注に出さないufoだからこそ
できた偉業だと思う
肝心な時にしか役に立たない男だぞ
初期もクソも15年しかない時代だけどね
軍国主義前の猶予の期間と言いながら日本が経験した最も暗い10年ていうのも意味不明
大正が日本史上で暗いと言えるような時代だったかどうか、ちょっとキーボードをカタカタさせれば英語の資料だって簡単に見つかると思うけどなぁ
説明セリフはうっとおしいんだが、それ以外がすごいおもしろいのでしょうがない。少女漫画に触れたことのない人の感想なのかもしれない。この作品は感情をよみとく作品だから。
それいったらハガレンのギャグシーンだって最高に滑ってたし…。
揚げ足取ればそうだが、一つ一つの設定に細かい裏打ちがないとリアリティが感じられず没入できない、大作映画と同じものを求めてるがそれがないから認めたくないと言っているんだろ
スターウォーズやジブリやエヴァみたいに一瞬しか映らない建造物にまで歴史や裏設定が用意されている作品を期待していたんじゃないのかな多分
鬼滅はそもそもそういう作品じゃないから見当違いなんだけどさ